施術案内
適用
- 東洋医学では、どんな病気であれ身体のバランスを正せば、生体が本来持っている「治癒力」を発揮させることができ、病は治っていくと考えられています。したがって、多くの範囲の疾患に対して適用できます。
鍼灸の適応疾患
① 神経系疾患(顔面神経麻痺、てんかん、斜頚、神経痛、うつ、異常行動など)
② 運動器疾患(椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼、腰痛・各種関節炎などの痛みの緩和など)
③ 循環器疾患(心臓疾患、高血圧など)
④ 呼吸器疾患(鼻炎、気管支炎、喘息など)
⑤ 消化器疾患(食欲不振、下痢、便秘、腹痛、嘔気・嘔吐、肝機能改善など)
⑥ 代謝内分泌疾患(クッシング症候群、糖尿病など)
⑦ 泌尿・生殖器疾患(腎不全、慢性膀胱炎、尿閉・尿漏れなど)
⑧ 皮膚疾患(かゆみ、脂漏症、心因性脱毛など)
⑨ 免疫性疾患(アトピー、花粉症など)
⑩ その他(QOL(クオリティオブライフ)の改善、術後の体調管理、薬剤の効果促進、副作用緩和など) - 以下のケースなどにご利用していただけると考えています。
✤ 他の治療を受けても治療効果が満足いかない(難治性の疾患)
✤ 強い薬の使用をやめたい、量を少なくしたい
✤ 検査や手術を回避したい
✤ 動物病院では病気ではないと言われたが、できればどうにかしたい症状がある
✤ 定期的に起こる症状、発症しやすい病気を予防したい
✤ 苦痛を少しでも緩和してあげたい
✤ 高齢動物のケアをしてあげたい - 当院では、薬による対症療法、慢性的な症状に対して、動物が本来持っているの「生命力・治癒力」を高めて根本から症状を改善させる治療を行います。
- 当院では、東洋医学的見地からの認知症の予防・対策に積極的に取り組んでおります。
認知症の症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。
動物の認知症とは? ▼
鍼灸で認知症予防? ▼
- 急性感染症、急性腹症、緊急疾患時、手術が必要な傷病など、動物病院での受診・治療が適切な場合には、そちらでの診療をお勧めいたします。
- 飼い主様が近くにいらっしゃっても、極度に興奮、攻撃的行動、逃避行動をとり、ある程度の方策をとっても身体に触れられない患者動物については、それ以上の診療はせずにお帰りいただくこともございます。無理に抑えつけて診察・施術すると、施術の効果が全く出ないだけでなく、むしろ状態が悪化し、予期せぬ新たな事故・傷病が発生してしまう場合があるためです。
- 極度の衰弱により施術の刺激が悪影響を及ぼすと判断された場合、ご相談の上施術をしない場合もございます。
初診時にお持ちいただくもの・注意事項
- 予診票(ダウンロードして打ち出して記入されたものをご持参いただければ時間の節約になります)
- お薬で治療されておりましたら、現在服用されているお薬
- 問診でいろいろとご質問いたしますので、可能な限り初診時にはペットについてお答えできる方がいらっしゃってください。
- もしお持ちでしたら、動物病院での血液検査結果、心電図、レントゲン、CT画像など
- 治療にいらっしゃる直前に飲食はさせないでください。もし、してしまったらその旨お申し出くださるようお願いいたします。服薬した場合も、何時ごろに服薬したかを教えてください。
- 治療施術時に飼い主様にもお手伝いいただきたいと思います。着衣が汚れないようにエプロン等ご用意するなどの当院でもご準備はいたしますが、その旨はご承知おきください。
- 当院には入院施設はございませんので、お預かりしての治療はすることができません。あくまでも飼い主様と一緒に治療するという点をご理解・ご了承の上ご来院いただきますようお願いいたします。
使用するはりの種類
①刺すはり(毫鍼)
ディスポーザブル(エチレンオキサイドガス滅菌済み使い捨て)のはりで、長さ・太さは様々なものを用います。患者動物の体質や病の状況、身体の大きさ、部位に応じて使い分けます。
②刺さないはり(鍉鍼)
皮膚にそっとあてたり、かざしたり、経絡に沿ってなぞるようにして刺激します。主として幼い動物、刺激に過敏な動物、高齢な動物や病状が重く衰弱している動物の施術に用います。
③特殊なはり(神火針、圧針)
神火針は、細い注射針の針先に火鍼膏という薬剤をつけて火で炙り、冷えや痛みのある箇所に接触させたり、刺入したりします。見た目は熱くて痛そうですが、驚くほど痛みをとる作用があります。
圧針は、圧針器の先に鍼灸膏という薬剤を塗布し、ツボを押圧する刺さないはりの一種です。圧針器の機械的、物理的刺激と同時に生薬が浸透し、効果を倍増させます。
使用するお灸の種類
①お灸
お灸は、毛の上からシート(灸点紙)を貼り、その上でモグサを燃やします。毛の長さや皮膚からの距離を考慮してモグサの量を調整します。直接皮膚への接触はありませんので火傷のリスクは極めて低いと考えますが、動物の様子をみながら熱そうであれば、シートを持ち上げたり、途中で火を消したりして温かさを調整します。
②棒灸
温灸の一種で、棒状に固めたもぐさに火を点け、冷えているツボや箇所にかざします。ほんのりと温かく感じる、心地よいお灸です。モグサが燃焼する煙はそのものにも効果はあるのですが、煙が苦手な場合は煙の出ないものを使用します。
ご家庭でも使用できますので、飼い主様にもやり方を覚えていただくとよいと思います。
漢方薬
当院は、はりおよびお灸の専門治療院ではありますが、治療効果を上げるため、またご都合によりご来院の間隔が長期に空いてしまう場合に漢方薬のご使用をご提案することもございます。飼い主様がご希望なさればお出しすることもできますが、決して強制することはいたしません。
推 拿
針灸治療、漢方薬と並んで、中医学に古くから伝わる治療法のひとつです。推拿の「推」は「押す」、「拿」は「つかむ」という意味を示します。手技により、経絡や経絡上の特定のツボを刺激して、身体を緩め、循環を良好にして、症状を緩和し、体調を調えます。
当院では、鍼灸治療などと組み合わせたり、刺鍼や施灸が難しい場所や場合などに用います。軽い柔らかい手技を用いることにより、動物をリラックスさせて、鍼灸治療効果をあげ、精神面にもよい効果を発揮します。