A 基本的に当院で使用するのは髪の毛ほどの細さの鍼で、痛みの出ない方法で、できるだけ浅く刺すようにしています。たいていの動物は受け入れてくれていますのでほとんど痛みは感じていないと思います。
しかし、痛みを感じやすい部分や、鍼を打った「響き」と呼ばれる感覚に過敏に反応してしまう動物もいますので、そのような場所や動物には刺さない針を用いての施術をするようにしています。
A お灸の際には毛の上にシートを貼って、その上からお灸をいたします。燃えているモグサが直接毛や皮膚に接触することはありませんので、毛が燃えたり、お灸の痕が残るようなことはありません。また、施術中は、モグサの大きさや皮膚とシートの高さを調節し、熱さを感じる直前に火を消すなどの適切な管理を行って、温かく気持ちの良いお灸となるようにしています。また、ご家庭でもできるような温灸などの方法での施術を行います。
A 電気針とも呼ばれる通電治療は確かに効果があり、特に運動器疾患に対しては有効な治療法です。しかし、通電治療では施術にある程度の時間が必要なこと、当院ができるだけ少ない刺激で生体のバランスを整えて自然治癒力を上げて治癒を目指す方向性をとっていることより、当院では通電治療は行っておりません。
A 当院では、施術の際に飼い主様に参加していただき、動物にとってできるだけストレスが少ない状態で施術中の動物の動きを管理するようにしています。また、ある程度は動いている状態でも危険のないような施術(刺さない針を使用するなど)を心がけています。多くの動物は一度気持ちいいと感じてくれると、あまり動かずに施術を受けてくれるようになります。
どうしても怯え暴れてしまう場合、施術が危険、または状態を悪化させてしまうと判断される場合には、無理に抑えつけて施術するようなことはいたしません。
A 運動器疾患(椎間板ヘルニアや関節縁など)の疼痛緩和・機能改善に効果があることはよく知られていると思います。しかし、鍼灸治療はその他の多くの疾患(内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、婦人科、小児科、眼科、精神科など(外科と歯科以外))に対しても治療効果をあげることができます。(鍼灸の適応疾患をご覧ください)
東洋医学では、病気というものはその主体となる原因に加え、その個体の素因(体質)、生活環境、精神状態などの様々な要因が関わって成立すると考えます。そして、その要因の影響によって生体のバランスが崩れて、弱くなっている部分に症状が現れます。従って、このバランスを整えてあげれば、その症状を軽減・治めることができますので、いろいろな疾患の症状を改善できるのです。
A 正直これは病気の重篤度や症状、発病してからの長さ、個体差がありますので、確定したものは申し上げられません。一応目安としては、施術の効果が期待できるかを確認できるまでは週に1~2回で3~5回、その後症状が緩解し安定していけば1週間に1回、2週間に1回と間隔を空けるように勧めております。但し、ご自宅でも飼い主様ができることがある場合などは、その点も含めて条件に合わせた通院間隔を提示させて頂きます。
できれば症状が完全になくなった後も1~2回、また病気になりやすい季節があればその前にご来院いただき、病気の再発予防などをしていただくと理想的だと考えます。
A 病気の治療という観点では、西洋医学の強い薬を使用していると鍼灸や漢方薬の効果が出ないという場合があり、せっかく施術しても無駄な治療となってしまう場合はあります。しかし、針灸や漢方薬は既存の薬と併用することで、その効果を上げる作用、副作用を緩和するなどの効果もあります。 効果を上げて、強い薬の使用期間を短くするための治療方法をご提案するようにしています。
A 当院では、まず鍼灸治療を主体しており、漢方薬は補助的に用いるという位置づけとさせていただいています。病気の種類や症状、治療間隔などを考慮して使用のご提案することはありますが、強制することはありません。補助的に使用してみて、動物がきちんと飲めて、効果も確認でき、ご要望がある場合にはご相談の上継続的にお出しすることもあります。しかし、その際は通常の診療(鍼灸施術を含む)をさせていただいた上での処方となります(使用する漢方薬を変えた方が良い場合があるため)。
なお、漢方薬をお出しする場合には、通常の診療費のほかにお薬代を別途頂戴いたしますのでご留意ください。